こんにちは。パーソナルトレーナーの渡邊拓也です。
先日、お客様から「たんぱく質ってプロテインシェイクから摂るのと食事から摂るのって何が違うんですか?」というご質問を頂きました。
今回はこの、質問を詳しく回答していきたいと思います。
食事からたんぱく質を摂取するメリット
DIT(食事誘発性熱産生)でカロリー消費量をアップできる
食事誘発性熱産生 / DIT(Diet Induced Thermogenesis)とは、 食事後に安静にしていても代謝量が増加すること現象です。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。
このため、食事をした後は安静にしていても代謝量が増えます。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。
たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。
食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
筋肉が減少すると、食事誘発性熱産生も低下します。
逆にトレーニングで筋肉を増加させると食事誘発性熱産生は高くなります。
また、食事の摂り方としてよく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなります。
1日の消費カロリーの割合はおおよそ、以下とされています
- 基礎代謝(60%)
- 活動代謝(25%)
- 食事誘発性熱産生(15%)]
グルタミン量の維持、免疫力の低下防止
胃や腸の消化器官を動かすエネルギー源として、グルタミンというアミノ酸があります。
また、免疫力を高める作用もあるので、グルタミンは重要なアミノ酸の1つです。
このグルタミンは、体内の骨格筋の中に貯蔵されるアミノ酸の中で、一番量が多いものです。
固形物からたんぱく質を摂取する事で、胃と腸が動く事でグルタミン量も維持され、免疫低下の防止に繋がります。
バランス良く栄養が摂取できる
たんぱく質を食事から摂取する事で、他の栄養素も同時に摂取する事ができます。
唾液の分泌
固形の食事をする事で、咀嚼により唾液が分泌されます。
唾液が分泌される事で、消化作用や、レプチンというホルモンの分泌で満腹感を得られ、過食防止に繋がります。
血中アミノ酸濃度の増減が緩やか
ボティメイクをする上で、血中のアミノ酸濃度を保つことは、筋肥大、筋肉分解防止の観点で重要です。
プロテインを飲んだ際よりも、固形の食事からたんぱく質を摂取した方が、アミノ酸濃度の増減は緩やかで、長時間アミノ酸濃度が高い状態を維持できます。
食事からたんぱく質を摂取するデメリット
お金がかかる
たんぱく質を固形物から摂取する場合、お肉、魚、大豆製品などを選択する事が多いと思います。
それらの食品は比較的に高価なものが多く、プロテインと比べると割高になってしまいます。
吸収時間が長くなってしまう
固形物は、消化や吸収におおよそ4~6時間ほどかかってしまいます。
トレーニング後のすぐに栄養素を吸収したいタイミングなどには、ベストではありません。
自分はアミノ酸濃度を保つ為に、トレーニング中EAA→トレーニング直後プロテイン→1時間以内に固形物、という流れにしています。
マクロ管理(三大栄養素の管理)が難しい
食事からたんぱく質を摂取する場合、その食品に付帯する他の栄養素などがあり、栄養素のオーバーなどがおきやすくなってしまいます。
プロテインシェイクからたんぱく質を摂取するメリット
純粋にたんぱく質を摂取できる
「今、〇〇グラムのたんぱく質だけを摂取したい!」という場面で、プロテインシェイクは、ほとんど他の栄養素が含まれないので便利です。
吸収が早い
トレーニング後やトレーニング前のたんぱく質補給は、できるだけ迅速に血中アミノ酸を上昇させたいタイミングです。
このタイミングは、プロテインシェイクを活用するべきです。
安く、すぐ飲める
固形物からたんぱく質を摂取するよりも安く、尚且つ簡単に摂取する事ができます。
フレーバーが豊富で飲みやすい
現在、様々な種類のプロテインが販売されていて、とても飲みやすくなっています。
プロテインシェイクからたんぱく質を摂取するデメリット
食事誘発性熱産生が少ない
液体のプロテインシェイクでは、食事誘発性熱産生が最大限で発生しません。
その為、食事からの摂取の場合と比べ、消費カロリーも少なくなってしまいます。
血中アミノ酸濃度がすぐに低下してしまう
プロテインシェイクを飲んだ瞬間は、血中アミノ酸濃度が著しく上昇するのですが、継続できる時間が難しく低下するのも早くなってしまいます。
免疫低下の恐れ
プロテインばかりに頼り、たんぱく質を摂取しているとグルタミン量の低下により、免疫低下の可能性があります。
唾液の分泌がない
唾液が分泌されない事で、食欲抑制ホルモンのレプチンの分泌がなく、満腹感が得られない事で、過食に繋がってしまいます。
まとめ
効率的にボティメイクをするには、固形の食事とプロテインシェクの両方の特性を理解し、上手く両用して行く事が重要です。
手軽なプロテインに頼るだけでなく、面倒くさがらず固形物も食べてみてください。