こんにちは。パーソナルトレーナーの渡邊拓也です。
男性なら、誰もが一度は憧れる太い腕。しかし、意外に正しい腕の鍛え方を知らない方は多いようです。
実際に、僕も何人もの人に腕のトレーニングを教えて欲しいと依頼されてきました。
今回の記事はそんな方々の為に、腕の筋肉を効率的に太くする為のトレーニングとその基礎知識をご紹介していきます。
腕の筋肉の種類
トレーニングをする際に重要になるのが、どこを使っているのかを意識する事です。
その為、腕の筋肉がどのように構成されているかを理解するのも重要なポイントです。
トレーニングの際にこの、解剖図を覚えているのか否かで効率も大きく変わってしまいます。
上腕二頭筋
英語名:biceps brachii muscles
腕の筋肉と言ったら、ここ!という筋肉です。
腕を曲げた際に、現れる力こぶの部分です。
上腕二頭筋は、「二頭」という名の通り、「上腕二頭筋長頭、上腕二頭筋短頭」の二つの筋肉で構成されています。
身体の内側が短頭、外側が長頭です。
肘を曲げる動作に関与する筋肉で、日常では、物を引っ張ったり、腕で物を持ち上げる際に動く筋肉です。
上腕三頭筋
英語名:triceps brachii muscle
上腕三頭筋は、意外に知られていませんが、腕の中で最も大きな筋肉です。
つまり、太い腕を作るには最重要な部位となります。
一般的に、「二の腕、振袖」と呼ばれることが多い部分です。
上腕三頭筋は、「三頭」という名の通り、「上腕三頭筋長頭、上腕三頭筋内側頭、上腕三頭筋外側頭」の三つの筋肉で構成されています。
日常では、物を押す動作や、腕を伸ばす際に使われる筋肉です。
上腕、前腕筋群
英語名:forearm muscles
前腕筋群は20種類近くの筋肉で構成されていて、指の動きや手首の動きに関わっています。
握力トレーニングで鍛えることができるトレーニングで、動きが地味なトレーニングが多いのが特徴です。
また、そのほかの腕のトレーニングなどでも補助的に使っていることが多い筋肉なので、特に集中してトレーニングをしない人も多い部分です。
鍛えることで、前腕が太くなり、見た目が良くなる事は勿論ですが、日常の中でも重いものを運ぶ際や、持ち上げる際に楽になる筋肉です。
効率的に腕を太くするポイント
回数、セット数
上腕二頭筋と上腕三頭筋では、速筋、遅筋繊維の割合が異なります。
上腕二頭筋は遅筋が優位な部位で、上腕三頭筋は速筋が優位な部位です。
速筋は、瞬発的な動きや重い物を持ち上げる動きに適した筋肉で、高重量で低回数で行うトレーニングが適切とされています。
遅筋は、持久的な動きに適した筋肉で大きな力発揮を得意としないので、中〜低重量で高回数のトレーニングが適切とされています。
つまり、上腕三頭筋は高重量、低回数で行い、上腕二頭筋は中〜低重量で高回数が適切です。
具体的な回数とセット数は、上腕二頭筋は15~20回程度で3~5セット、上腕三頭筋は10~15回程度が最適です。
トレーニングプログラム
トレーニングプログラムも重要なポイントです。
適当に、思い当たる腕のトレーニングをするだけでは、効率的に腕を太くする事はできません。
狙う部位が、長頭なのか短頭なのか、ストレッチ種目(初動負荷)、ミッドレンジ種目(中動負荷)、コントラクト種目(終動負荷)を意識してトレーニングする必要があります。
主な流れは、
ミッドレンジ種目→ストレッチ種目→コントラクト種目
となります。
各部位毎、レンジ毎の種目については後ほど、ご紹介します。
オーバーロード(過負荷)
腕の筋肉だけでなく、全ての筋肉において常に、より大きな負荷をかけ続けなければいけません。
常に同じ負荷でトレーニングするのではなく、日々、重量、回数、セット数、レスト時間に変化をもたらし、刺激になれないようにしましょう。
超回復
筋肉は、鍛えるだけでなく休むことも重要です。
筋肉は休んでいる間に、筋繊維を更に太く再合成(筋肥大)しているのです。
腕をトレーニングしたら、最低でも3日はあけるようにしましょう。
連続2日でできてしまう場合は、トレーニングの負荷が足りていないのかもしれないので、見直しましょう。
上腕二頭筋を鍛えるトレーニング
ストレートバーアームカール
鍛えられる部位:上腕二頭筋、短頭
種目の種類:ミッドレンジ種目(中動負荷)
ストレートバーアームカールの正しいやり方
- バーを肩幅より、やや広く順手で握る
- 脇と肘を体側に固定し、バーベルを持ち上げる
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 上記を繰り返す
インクラインダンベルカール
鍛えられる部位:上腕二頭筋、短頭
種目の種類:ストレッチ種目(初動負荷)
インクラインカールの正しいやり方
- インクラインベンチに仰向けに寝て、ダンベルを親指側に寄せて握る
- ゆっくりと肘を伸ばし、伸びきる手前まで下ろす
- 小指が外に向くように、肘を曲げ、ダンベルを持ち上げる。
- 上記を繰り返す
ケーブルカール
鍛えられる部位:上腕二頭筋、短頭、長頭
種目の種類:ミッドレンジ、ストレッチ、コントラクト種目(初動、中動、終動負荷)
※ここでは、コントラクト種目としての割合多め。
ケーブルカールの正しいやり方
- なるべく外側でバーを握る
- 脇と肘を固定し、バーを持ち上げる
- トップポジションまできたら、ゆっくりとバーを肘が伸びきる直前まで下ろしていく。
- 上記を繰り返す
上腕三頭筋のトレーニング
ナローグリップベンチプレス
鍛えられる部位:上腕三頭筋、短頭
種目の種類:ミッドレンジ種目(中動負荷)
ナローグリップベンチプレスの正しいやり方
- バーベルを手幅を肩幅より内側で握る
- 脇と肘を閉めて胸の位置に下ろす
- まっすぐと持ち上げる
- 上記を繰り返す
トライセプスエクステンション
鍛えられる部位:上腕三頭筋、長頭
種目の種類:ストレッチ種目(初動負荷)
トライセプスエクステンションの正しいやり方
- EZバーを手幅を縮めて握り、頭の上でセットする
- 脇と肘をなるべく、閉めた状態で頭の後ろまでバーベルを下ろす
- 頭の後ろまで来たら、再びスタートポジションに戻す
- 上記を繰り返す
ケーブルプレスダウン(ケーブルプッシュダウン)
鍛えられる部位:上腕三頭筋、短頭
種目の種類:コントラクト種目(終動負荷)
ケーブルプレスダウンの正しいやり方
- マシン前にまっすぐと立ち、グリップを握る
- 肘を固定して、グリップを下に押す
- その際に手首を外に返しながら、肘が外を向くように押す
- ゆっくりとスタートポジションに戻す
- 上記を繰り返す
まとめ
各トレーニング毎に、筋肉がどこで刺激が入るのか、長頭に入るのか短頭に入るかが異なります。
それぞれの特性を理解し、効率的にトレーニングプログラムを作成してみてください。
腕のトレーニングプログラムの一例をご紹介すると以下のような流れになります。
メニュー例①
- ストレートバーアームカール
- インクラインダンベルカール
- ケーブルカール
- ナローグリップベンチプレス
- トライセプスエクステンション
- ケーブルプレスダウン
メニュー例②(スーパーセットの場合)
- ストレートバーアームカール&ナローグリップベンチプレス
- インクラインダンベルカール&トライセプスエクステンション
- ケーブルカール&ケーブルプレスダウン
みなさん、是非参考にしてみてください。